東京高裁判決「育休後の雇止めに合理的な理由あり」 (2019年12月2日)
育児休業後に正社員から契約社員になり、その後雇止めされたのは違法だとして、語学学校の講師だった女性が会社側に慰謝料などを求めた訴訟の控訴審判決があった。阿部潤裁判長は、女性が自らの意思で契約社員を選び、また会社側に違法性はないとして、雇止めを有効と判断した。一審の東京地裁では、会社側にマタハラがあり、雇止めも違法として会社側に110万円の支払いを命じていたが、女性側の逆転敗訴となった。
トヨタ社員パワハラが原因で自殺 労災認定 (2019年11月25日)
2017年にトヨタ自動車の男性社員が自殺した原因は上司のパワハラが原因だとして、豊田労働基準監督署が労災認定した。男性は上司からのパワハラで適応障害を発症し休職、復職後社内の別のグループに異動したが、席がこの上司の近くだった。会社側は当初、パワハラと休職との因果関係を認めたが自殺との因果関係を否定し、遺族側は今年3月に労災を申請した。
パワハラ防止指針案で判断の具体例を提示 (2019年11月25日)
厚生労働省は、職場でのパワハラを防止するために企業に求める指針案を固めたことを明らかにした。10月に示した素案を修正し、同省が定めたパワハラ6類型に沿ってパワハラに当たるかどうかの具体的な判断事例を示した。指針は年内に策定され、大企業は来年6月から、中小企業は2022年4月から対応が義務付けられる。
後期高齢者の医療保険料上限 64万円に引上げ (2019年11月25日)
厚生労働省は、後期高齢者が納める医療保険料の上限を来年度から62万円から64万円に引き上げる案を社会保障審議会の部会で提案し、了承された。高所得の後期高齢者の保険料の負担が重くなる一方で、主に中間所得層の負担が抑えられることになる。
在職老齢年金の減額基準「51万円」へ引上げ方針 (2019年11月18日)
厚生労働省は、在職老齢年金の制度見直し(減額基準の引上げ)案を社会保障審議会の年金部会に提示した。現行制度では、65歳以上の場合、賃金と年金が合計で「月額47万円」を超えると減額となるが、見直し案では「月額51万円」(現役世代の賃金と厚生年金の報酬比例部分の平均額)へと引き上げる。関連法案を来年の通常国会に提出する。